「無添加」「糖質オフ」「高たんぱく」ってどう違う?食品表示の意味と選び方を調べてみた

スーパーやコンビニで食品を選ぶとき、パッケージに書かれた言葉が気になることはありませんか。
「無添加」「糖質オフ」「高たんぱく」「砂糖不使用」。
なんとなく健康によさそうな印象があって、同じような商品が並んでいたら、ついこちらを選びたくなることがあります。
でも、改めて考えてみると、それぞれの言葉が何を意味しているのか、きちんと説明できるでしょうか。
「糖質オフ」と「糖類ゼロ」は同じなのか。
「砂糖不使用」なら糖質も少ないのか。
「無添加」と書かれていたら、食品添加物は一切使われていないのか。
私自身、こうした言葉は普段から目にしているのに、詳しい違いまでは理解していないことがありました。
そこで今回は、消費者庁が公開している食品表示の資料などを参考に、よく見かける言葉の意味を調べてみました。健康に気を配ることは大切ですが、パッケージの印象だけで食品を選ぶ必要はありません。
表示の意味を知ったうえで、自分に合うものを選ぶ。
そんな買い物のヒントになればと思います。
目次
「無添加」と書かれていたら、何も添加されていない?
食品パッケージでよく見かける「無添加」という言葉。
なんとなく、余計なものが入っていない食品というイメージを持つ人もいるかもしれません。でも、無添加という言葉だけでは、何が添加されていないのか分からないことがあります。
たとえば、「保存料不使用」と書かれている食品。
これは保存料を使用していないことを伝える表示ですが、ほかの種類の食品添加物まで使用していないとは限りません。
「着色料不使用」も同様です。
つまり、何が無添加なのかを確認することが大切なのです。
消費者庁は「無添加」の表示についてガイドラインを設けている
消費者庁は2022年に「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」を策定しました。
その背景には、食品添加物を使用していないことを強調する表示が、消費者に誤解を与える可能性があるという問題があります。
たとえば、何を使用していないのか分からない、単なる「無添加」という表示。あるいは、特定の添加物を使用していないことを強調することで、ほかの食品より安全であるかのような印象を与える表示。
こうした表現について、消費者が誤認しないよう考え方が整理されています。なお、このガイドラインは「無添加」という言葉を一律に禁止するものではありません。表示する場合には、何が不使用なのか、消費者に誤解を与えないかといった点が重要になります。
食品添加物が入っていることと、危険であることは別
ここは、食品表示を考えるうえで大切なところです。
食品添加物という言葉に、あまりよい印象を持っていない人もいるかもしれません。
ただし、日本で使用が認められている食品添加物には、安全性の評価や使用基準などの仕組みがあります。食品添加物が使用されているという理由だけで、その食品が危険だと判断することはできません。反対に、「無添加」と書かれているだけで、栄養バランスがよい食品だと判断できるわけでもありません。
食品添加物には、食品の保存性を高めたり、品質を安定させたりする目的で使用されるものもあります。
もちろん、原材料や添加物を確認して、自分が納得できる食品を選ぶことは大切です。
ただ、「無添加だからよい」「添加物が入っているから悪い」と単純に分けるのではなく、食品全体を見て判断したいですね。
「糖質オフ」「糖類ゼロ」「砂糖不使用」は同じではない
今回、私が特に整理しておきたいと思ったのが、糖質に関する表示です。スーパーやコンビニでは、糖質オフのパンやお菓子、糖類ゼロの飲料、砂糖不使用の食品などを見かけます。
どれも似た印象がありますが、意味は異なります。まず知っておきたいのは、「糖質」と「糖類」の違いです。
糖質と糖類は、指している範囲が違う
食品表示で使われる糖質は、一般に炭水化物から食物繊維を除いたものとして扱われます。
そして糖類は、糖質の一部です。
糖類には、砂糖の主成分であるショ糖や、ぶどう糖、果糖などが含まれます。一方、糖質には、糖類のほかに、でんぷんや一部の糖アルコールなども含まれます。
そのため、「糖類ゼロ」と書かれていても、糖質がゼロとは限りません。たとえば、糖類が少なくても、でんぷんなどが含まれている食品はあります。
ここを知っておくだけでも、パッケージの見方が少し変わりそうです。
「糖類ゼロ」は、完全に0gとは限らない
消費者庁の栄養強調表示の基準では、「糖類ゼロ」など、糖類を含まないことを強調する表示には基準があります。
一般的な食品では、糖類が100gまたは100ml当たり0.5g未満であれば、「糖類ゼロ」などの表示が可能です。つまり、表示上の「ゼロ」は、必ずしも厳密に0gという意味ではありません。
これは糖類に限らず、栄養成分の強調表示を理解するときに知っておきたい考え方です。
また、糖類ゼロだからといって、エネルギーまでゼロとは限りません。食品全体のエネルギー量や、ほかの栄養成分も確認することが大切です。
「砂糖不使用」は、糖質が含まれていないという意味ではない
砂糖不使用という言葉も、少し誤解しやすい表示です。
砂糖を使用していないことと、食品に糖質が含まれていないことは違います。たとえば、原材料そのものに糖類が含まれている場合があります。
消費者庁は、「砂糖不使用」「糖類無添加」などの表示について、糖類を添加していないことなどの条件を設けています。この表示は、糖類がまったく含まれていないことを意味するものではありません。
「砂糖不使用」と書かれた食品を選ぶときも、必要に応じて栄養成分表示を確認しておきたいところです。
「糖質オフ」は、何と比べているのかも確認したい
「糖質オフ」「糖質カット」「低糖質」といった言葉も、よく見かけます。
ただし、糖質については、糖類やエネルギーなどと同じような一律の栄養強調表示基準が設けられているわけではありません。
そのため、商品に「糖質オフ」と書かれていたら、何を基準にしているのか確認することが大切です。
従来品と比較しているのか。
同じ種類の一般的な食品と比較しているのか。
どのくらい糖質が少なくなっているのか。
パッケージに比較対象や糖質量が記載されている場合は、そこも見てみましょう。「オフ」という言葉だけでは、実際にどのくらいの糖質が含まれているのか分かりません。
「高たんぱく」は、何を基準にしている?
最近は、たんぱく質を意識した食品も身近になりました。
プロテインドリンクやヨーグルト、パン、お菓子など、さまざまな商品で「高たんぱく」という表示を見かけます。
運動をしている人だけでなく、普段の食事でたんぱく質を意識している人もいるでしょう。では、「高たんぱく」は、どのくらいの量を意味するのでしょうか。
「高たんぱく」には栄養強調表示の基準がある
たんぱく質は、消費者庁が定める栄養強調表示の対象となる栄養成分です。
「高たんぱく」「たんぱく質豊富」など、たんぱく質が多いことを強調する表示には、一定の基準があります。
この点は、糖質オフという言葉とは違うところです。
ただし、基準を満たした高たんぱく食品だからといって、すべての人にとって最適な食品というわけではありません。
必要なたんぱく質の量は、年齢や体格、活動量、健康状態などによって異なります。
また、たんぱく質だけでなく、脂質や炭水化物、食塩相当量など、食品全体の栄養バランスも大切です。
「何g入っているか」を見る習慣
私が食品を選ぶときに取り入れたいと思ったのは、「高たんぱく」という文字だけでなく、実際のたんぱく質量を確認することです。
たとえば、たんぱく質が10g含まれる商品と、15g含まれる商品があったとします。
ただし、片方は小さな間食用で、もう片方は一食分の食品かもしれません。
数字だけを比べても、用途が違えば単純には比較できません。
そのため、一個当たりなのか、一食当たりなのか、100g当たりなのかを確認することが大切です。
同じ種類の食品を比較するときには、表示の単位をそろえて見ると分かりやすくなります。
食品を選ぶときは、パッケージの裏側も見てみる
ここまで調べてみて、改めて感じたのは、食品パッケージの表側だけでは分からないことが多いということです。
表側には、商品の特徴を伝える言葉が大きく書かれています。
でも、実際にどんな原材料が使われているのか、どのくらいの栄養成分が含まれているのかは、裏側や側面の表示を見ないと分からないことがあります。
もちろん、毎回すべての表示を細かく確認する必要はありません。ただ、健康を意識して食品を選ぶときには、少しだけ確認する習慣が役立ちそうです。
原材料名は、どんなものが使われているかを知る手がかり
加工食品の原材料名は、原則として使用した重量の割合が高い順に表示されます。そのため、どんな原材料が中心になっているのかを知る手がかりになります。
また、食品添加物についても、原材料と区別して表示するルールがあります。ただし、表示には一部の省略や例外などもあるため、原材料名だけですべてを把握できるわけではありません。
それでも、気になる商品を選ぶときに一度見てみると、表側の印象とは違う発見があるかもしれません。
栄養成分表示は、まず基本の5項目から
一般的な容器包装入りの加工食品では、原則として次の5項目が栄養成分表示の基本になります。
- エネルギー
- たんぱく質
- 脂質
- 炭水化物
- 食塩相当量
商品によっては、食物繊維や糖質、糖類、ビタミンなどが追加で表示されていることもあります。全部の数字を毎回覚える必要はありません。
たとえば、たんぱく質を意識しているなら、たんぱく質量を確認する。
塩分が気になるなら、食塩相当量を見る。
糖質を比較したいなら、糖質量の表示があるか確認する。
自分が気にしている項目から見始めるだけでも、食品を選ぶときの判断材料が増えます。
「100g当たり」と「一食当たり」は混同しない
栄養成分表示を見るときに、もうひとつ気をつけたいのが表示単位です。
ある商品は100g当たり。
別の商品は一個当たり。
また別の商品は一食当たり。
このように、表示の基準が異なることがあります。
たとえば、100g当たりのエネルギーが低くても、一度に食べる量が多ければ、実際に摂取するエネルギーも変わります。
食品を比較するときには、数字だけでなく、何に対する数字なのかを確認したいですね。
「健康によさそう」だけで選ばなくてもいい
食品表示について調べていると、いろいろなことが気になってきます。
糖質はどのくらいか。
たんぱく質は足りているか。
食品添加物は何が使われているか。
知識が増えることはよいことですが、気にしすぎて食事が窮屈になってしまうのも、少し違う気がします。
食べることには、栄養をとること以外にも楽しみがあります。
おいしいものを味わうこと。
季節の食材を楽しむこと。
家族や友人と食卓を囲むこと。
食品表示は、食べてよいものと悪いものを決めるためのものではありません。
自分が納得して選ぶための情報です。
同じ食品でも、選ぶ理由は人それぞれ
たとえば、ヨーグルトを選ぶとき。
たんぱく質が多いものを選びたい人もいれば、甘さ控えめのものが好きな人もいるでしょう。価格や食べやすさ、味を優先する人もいます。
どれが正解というわけではありません。自分が何を重視しているのかによって、選ぶ商品は変わります。
大切なのは、パッケージに書かれた言葉だけに引っ張られず、自分の目的に合っているかを考えること。
「高たんぱく」と書かれているから買うのではなく、今日はたんぱく質を補いたいから選ぶ。
「糖質オフ」と書かれているから安心するのではなく、ほかの食品と比べて自分に合うか考える。
そんな選び方ができると、食品表示も少し身近になるのではないでしょうか。
知らなかった言葉を知ると、買い物の見方が変わる
今回、食品表示について調べてみて、私自身も曖昧に理解していた言葉がいくつかありました。
特に印象に残ったのは、「糖質」と「糖類」の違いや、「無添加」という言葉だけでは分からないことがあるという点です。普段から目にしている言葉なのに、意味を詳しく考えたことはなかったのかもしれません。
でも、食品表示を理解したからといって、毎日の買い物を難しくする必要はないと思います。気になる商品があったら、裏側を少し見てみる。同じような商品で迷ったら、栄養成分表示を比べてみる。「これってどういう意味だろう」と思ったら、調べてみる。
それくらいからで十分です。
食品の選び方は、年齢や生活習慣、体調によっても変わっていくものです。以前は気にしていなかったことが、今は気になることもあります。
だからこそ、何となくのイメージだけでなく、少しずつ知識を増やしていきたいですね。次にスーパーへ行ったとき、いつも手に取る商品の裏側を見てみる。そこから、新しい発見があるかもしれません。
☕ Irisのひとこと|いつもの買い物で、小さな発見
何度も見ているはずの食品パッケージなのに、知らないことがまだまだあるものですね。
買い物のたびに細かく調べるのは大変だけれど、気になったことをひとつ知るだけでも、次の選び方が少し変わりそうです。
参考サイト:
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