今の生活に、特別な不便はない。
仕事も家事も、いつも通りこなせている。
だからこそ、体のことは、つい後回しになってしまう。
「今すぐ困っているわけじゃない」そんな状態のまま、日々が静かに過ぎていくことも少なくありません。
「運動不足だから何かしなきゃ」と感じながらも、そもそも“何が足りていないのか”が分からない。
そんな感覚をほどくところから、このシリーズは始まります。
日常に支障がない、という落とし穴
30代40代になると、体は急に不調になるというより、気づかないうちに“前と同じじゃなくなる”ことが増えてきます。
大きな痛みがあるわけでもない。
病院に行くほどでもない。
でも、なんとなく疲れが残る。
動き出しが少し重い。
それでも生活は回ってしまうから、「まだ大丈夫」と思ってしまう。
この「大丈夫」が、変化に気づきにくくする原因なのかもしれません。
体は、いちばん楽な使い方を覚えていく
体は、とても正直で、そして賢いです。
無理のない使い方、いちばん楽な動かし方を、自然と選ぶようになります。
歩くことひとつとっても、本当は体全体で分担していたはずの動きが、少しずつ省かれていくことがあります。
動いていないわけではない。
ちゃんと歩いているし、生活もできている。ただ、使われなくなった部分が、静かに増えていく。
その結果、
「歩いているのに、体が固まっていく」
そんな不思議な感覚が生まれることがあります。
衰える前に起きている、静かな変化
体の変化は、いきなり現れるわけではありません。
・使われなくなった動きが省かれる
・いつも同じ場所が頑張るようになる
・動きの幅が、少しずつ小さくなる
こうした変化は、衰えというより、体の使い方の偏りに近いものです。
だからこそ、「運動しなきゃ」と焦る前に、今どんな使い方をしているのかに、目を向けることが大切になります。
このシリーズで書いていくこと
このシリーズでは、体を鍛える方法や、正しい運動を教えることが目的ではありません。
まずは、
・【気づく】固まりやすくなった体を、ほどく
・【動かす】省かれてきた動きを、思い出す
・【支える】頑張りすぎている場所から、力を抜く
そんな「からだの使い直し」を、3つの記事で考えていきます。
運動不足だから、何かやらなきゃいけない気がする。
でも、日常生活に支障はないから、何もしなくてもいいような気もする。
その間で、なんとなく立ち止まってしまう人も、少なくないのかもしれません。
本当に今のままで大丈夫かどうか。
まずは一度、今の自分のからだに目を向けてみる。
そんなきっかけになれたらと思っています。
そして、少し余裕が出てきたら、ピラティスやヨガ、トレーニングを「楽しみ」として選ぶことも、選択肢のひとつです。
今、何もしなくても大丈夫です
この記事を読んで、「何か始めなきゃ」と思わなくて大丈夫です。
もし、「もしかして、私のことかも」そう感じたなら、それだけで十分。
気づけた時点で、体との関係は、もう少しやさしいものに変わりはじめています。
体の変化って、「不調」になってからじゃないと、気づきにくいものですよね。
でも、本当はもっと手前で、小さなサインは出ている気がしています。
それに気づけたら、もう半分は戻れたようなもの。そんな気持ちで、このシリーズを書いていきます。
気づかないうちに、体は変わっている
― がんばらなくていい、からだの使い直し ―
今は困っていなくても、体は少しずつ変わっています。
このシリーズでは、「気づく・動かす・支える」3つの視点から、今の体と向き合っていきます。


